空色徒然草

by いおいお

先生、あの、

 「ゆるめるモ!」という女性アイドルグループのメンバーに「あの」という子がいて、この子をTwitterでフォローしているのだけれど、アカウント名「あの」がすべてのツイートの頭に付くから、毎度毎度ツイートの冒頭で「あの、」と間投詞を入れて話しかけられているような気分になる。昔なつかし「先生あのね」の要領である。

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 昔なつかし、とはいったものの、個人的な思い出の中で「先生あのね」の影は薄い。書いた覚えがない。世の中にはそういうものが存在するとは聞き知っているけれど、それは自分の住んでいる世界とは違う場所で行われていることだ、みたいなふうに小学校低学年の時点ですでに理解していたような気がする。(あるいは、本当は書いていたのだけれど、あまりに「あのね帳」に対する印象が良くなかったか何かで記憶から消し去ってしまったか。)第一、「あのね」で文を始めてしまうと、文末表現が自然と「~したんだ」「~なんだよ」「~するんだって」といったものに縛られてしまう気がして、そんな修辞的自由度の低い交換ノートがあってたまるかみたいなことを当時から感じていたような気がする。もう十年以上前の話だからよく覚えていないけれど。
 実際のところ、アイドル「あの」の名前が何に由来するのか、詳しいことは知らない。フォローしているとはいえ、彼女のファンとも追っかけともいえない私である。顔が白いことと、たまに大森靖子とコラボしていることしか知らない。大森靖子の何かのMVで彼女を知って、この人どんな人なんだろ、って興味を持ったのは事実なのだけれど、結局それ以上深入りすることもなく、Twitterのタイムラインにたまに流れてくる自撮りとかライブ中の写真を眺めているだけ、それだけで、彼女のことを知っている気になっている。僕にとっては、ただのツイッタラー。顔が白くて、たまに大森靖子とコラボしていて、ツイートの冒頭に必ず間投詞を入れる人。
 ちなみに、グループ名「ゆるめるモ!」の由来は「You'll melt more!」らしい。これは結構面白いネーミングだと思った。英語の本来の発音に絶妙に近くて、ひらがなにすると絶妙に可愛らしいのが憎い。