エッセイを書く人々

 エッセイという文芸ジャンルの面白さに目覚め始めている。

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 松田青子まつだあおこは偉大である。偉大な作家と呼びうるほどの地位を実際得ているのかは知らないけれど、こういう世代にこういう面白い作家がいるのだ、日本語もまだ終わってないなと僕に思わせた功績は大きい。最果タヒさいはてたひという詩人にも最近ハマっていて、去年、初のエッセイ集(ブログ記事をまとめたものだけれど)を出したというからさっそく買って読んでみたら、これも素晴らしかった。日本語の若さ、巧みさもさることながら、クリエイター、というか人間のはしくれとして共感するところが多い。もちろん、内容に共感するかどうかは僕が彼女を文筆家としてどう評価するかということにはあまり関係がないのだけれど。その最果タヒのエッセイの中に大森靖子おおもりせいこの名前がふっと現れてどきっとした。℃-uteのシングルの作詞作曲を手がけていて名前を知ったのだけれど、どんな人なのだろうとYouTubeを漁ってみると、これも、なんつーか、ヤバい。ヤバいアラサーって素敵なんだなって初めて思った。その大森靖子最果タヒと共著で自叙伝のようなものを出していると知って、これはもう買うしかない、と本屋に走る。字が赤い。全部赤い。赤いけれどその赤さに毫も負けず文章が熱い。タイトルに「マグマ」とあるからマグマの色をイメージしているのだろうけれど、かりにその方向性で譬えるなら雲仙普賢岳のねばねば溶岩とキラウエア山のさらさら溶岩のタッグで襲いかかられているようで、勝ち目がない。
 エッセイの話からだいぶずれた。いま読んでいる森内俊雄という作家のエッセイも、世代はかなり上だしスタイルも違うけれど、めちゃくちゃ格好良い。ちょっと真似できない。小説家だと知らずに読み始めたのだけれど、語り口がえらく小説家臭いなと思って調べたら本物の小説家だった。しかも誕生日が僕と一緒だ(どうでもいい)。このあいだ友人宅に行った時、本棚に並んでいた穂村弘のエッセイ集も気になる。蚊取り線香のパッケージみたいな装幀が印象的だった。少し前に読んだ(エッセイと呼んでいいのかどうか微妙だけれど)村上春樹の『職業としての小説家』も良かった。